好香的中国紅のブログ

香りの素敵な中国雲南の紅茶

アフタヌーンティーのお供としてこのブログを楽しんでいただければ幸せです♪

南沙「日本に無関係」=野田聖子氏 に関する考察

時事通信 11月4日(水)23時55分配信よりの転載
南沙「日本に無関係」=野田聖子氏


自民党の野田聖子前総務会長は4日夜のBS日テレの番組で、
中国が進める南シナ海の人工島造成について「直接日本には
関係ない。南沙(諸島)で何かあっても、日本は独自路線で
対中国の外交に徹するべきだ」と述べた。  同島近海では
米国が艦船を航行させ中国をけん制、日本政府も支持を表明
したばかりで、発言は波紋を呼びそうだ。  


野田氏は次期総裁選への出馬に意欲を示しており、自身の
外交政策を問われる中で発言した。野田氏は「南沙の問題を
棚上げするぐらいの活発な経済政策とか、お互いの目先の
メリットにつながるような2国間交渉をやっていかなければ
いけない」とも語った。 


【以上、転載終わり】



野田議員の発言は、非常に的を得た発言であり今後この
発言について大いに議論していただきたいと思います。


中国が南沙諸島に人工島を作らなければならない大きな
理由は、ミサイル搭載の潜水艦基地が必要なことが原因で
シーレーンの封鎖などは、中国の考えに入っていないと
思われます。(現時点では)



確かに、南沙諸島は自給率の低い日本にとって非常に大切な
シーレーンではあります。エネルギーの大半の輸入は、この
南沙諸島を通るルートで運送しております。



それでは、南沙諸島を中国が封鎖した場合に南沙諸島を迂回した
ルートで運行する場合にどれだけのコスト高(運賃など)に
なるかを試算する必要が生じてきます。



幸いなことに海洋情報「From the Ocean」(海洋政策研究財団)
南シナ海の航行が脅かされる事態における経済的損失(2013年)
で試算されております。


海洋政策研究財団では、2013年度に、日本国内の専門家を
招聘してクローズド方式の研究委員会を開催し、南シナ海と
東シナ海の海上交通路が危険に晒され原油タンカーが迂回
した場合における経済的損失について定量分析し、エネルギー
安全保障への影響について調査すると共に、シーレーン安全
保障の在り方について検討した。本論は、その研究結果の
一部を参考として取り入れているが、経済的損失等の数値
については、概略のものを示しており、精確なものではない。
そのため、本論に示される数値については引用を差し控え
られたい。


【引用終わり】


南沙諸島をVLCC(原油タンカー)が迂回した場合の運賃の上昇
についての引用を禁じていますので、詳しくは原文をご覧ください。


日本国民一人当たりの負担額はごくわずかです。また、2013年
当時の原油価格と現在の原油価格の差がかなりありますので、実際の
迂回によるコストアップはしれている事になります。



また、同様のことを私の好きな作家である大石英司さんは、いち早く
今年の6月に述べておられます。


東洋経済 Online
南シナ海危機は日本の存立危機事態ではない 日米共同パトロールはリスクが大きすぎる



実際のパトロール作業を想定してみる。2隻で一つの艦隊を編制して
パトロールするとしよう。中国が今、基地を建設中の南沙、及び
西沙諸島は、実は日本海と同じくらいの広さがある。とても2隻
ではカバーし切れないから、この2隻のパトロール艦隊を最低二つ
は動かす必要がある。常時4隻がこの海域にいるとして、4隻が日本
の母港とを往復中、そして4隻が港で休暇もしくは補給及び補修中
となる。最低でも12隻がこの任務のために割かれることになる。
現在、ソマリア沖にも常時2隻派遣しているので、海上自衛隊が
保有する半分もの護衛艦が、海外での国際貢献任務のために割
かれることになる。尖閣警備や、北朝鮮のミサイル警戒という
任務もあるのに、そんなことが可能だろうか。


中国が南沙一帯を封鎖しても、船舶はフィリピン東側へ迂回すれば
済むのだ。そのコスト増は、こと原油に関しては、価格に上乗せ
しても末端のガソリン価格にはたいして影響しないレベルに留まる
だろう。


しかし、海域を封鎖するとなれば、自国に向かっている船舶も影響を
受ける。中国船ばかりが中国の港へ向かっているわけではないし、
海事保険料の上昇は全ての船主にのし掛かる。中国もまた損害を
被るから、そう簡単にできる話ではない。


【以上、引用終わり】


TVに登場する評論化連中と異なり、実際に共同パトロールを実施
する場合の、自衛隊の艦船のローテーションについて分析されています。


共同パトロールに参加することにより、海上自衛隊本来の北朝鮮からの
脅威の防御が出来なくなり、むしろ日本にとっての損失面が大きくなる
可能性を指摘されておられます。



日中国境線上の海上石油の問題も絡めて、大いに日本国内で有意義な
議論を進めていただきたいと思います。