外務省が毎年１０月１日に発表する
「海外在留邦人数調査」
平成２７年要約版

このデーターは、在外公館に提出されている
「在留届」を基礎資料として利用しましたが、
在留届を提出・更新していない邦人も多数
いることが想定されるため、 日系企業、
日本人会、邦人研究者・留学生が在籍する
大学、研究機関、各種学校等に調査票を配布し、
協力を求めたものだそうです。

企業に関する統計は、各在外公館が海外における進出
日系企業の安全確保に資するため収集した情報に加え、
各企業へのアンケート調査を行って得たものであり、
所在国政府や諸機関による統計とは乖離がある可能性
があります。

【以上、調査方法についての断り書き】

要するに、実数とは異なる可能性がありますが毎年継続して
行っている調査なので、傾向を判断する上では間違いが少ない
と思われます。

届け出を基礎とした調査なので、届け出の時期が前後することも
十分考えられます。

私は毎年この調査結果が出るのを楽しみにしております。

外務省のデーターが正しいとすれば、中国から日本企業の
撤退理由は反日の影響でもなく、PM2.5の影響など関係無い
と思われるからです。

２０１４年１０月１日現在、海外に住む日本人総数は
１２９万１７９人（前年比２．５４％増）この内
長期滞在者は約８５万人、永住者が約44万人です。

男女別では、「男性」が６２万５００人（約４８％）、
「女性」が６６万９，６７５人（約５２％）であり、
平成１１年以降一貫して「女性」が「男性」を上回って
います。

国別ではアメリカに41.4万人、中国に13.4万人、以下
オーストラリア、英国、タイとなっています。

中国の在留邦人数の推移
2010年　　131,534名
2012年　　150,399名
2014年　　133,902名

地域別（総領事館管轄数）の邦人推移
　　　　　　　2010年　　2012年　　2014年
上海　　　　　65,414　　78,862　　62,087
中国（北京）　15,140　　16,659　　12,325
広州　　　　　17,181　　19,636　　20,899　　
大連　　　　　　6,151　　　　　　　5,872
青島　　　　　　3,414　　　　　　　2,812
瀋陽　　　　　　1,683　　　　　　　1,621
重慶　　　　　　　931　　　　　　　1,141

企業数の推移
2010年　29,959社
2011年　33,420社
2012年　31,060社
2013年　31,661社
2014年　32,667社

2012年の反日デモが発生したのが9月中旬。
上記のデーターは10月1日のもの。

つまり、212年に中国から2万社が撤退したのは
反日デモが発生する前となります。

地域別の企業数の推移は
　　　　2010年　2011年　2012年　2013年　2014年
上海　　18,075　19,835　21,103　 21,630　21,811
北京　　 5,413　  5,993      2,367      2,629     2,471
広州　　 1,949      2,140     2,144       2,153     2,159
青島　　 1,913      2,555     2,666       1,801     2,094
大連　　 1,180      1,244     1,180       1,851     1,736

ここで面白いのが、上海の企業数は毎年増加しています。
なのに、在留邦人数は2012年をピークに減り続けて
います。

推論ですが、製造業が撤退してサービス業が進出してきた
結果ではないか、と思われます。

もうひとつの現象として、北京の企業数が2011年から
2012年にかけて半減しています。

最近、北京の日本人学校の生徒数が半減したのは反日の
影響や環境汚染の影響か？、などと日本のメディアが
騒いでおりますが、2012年の10月1日には北京の企業数
が半減しておりますので、撤退に伴い生徒数が減るのは
当然の成り行きです。

2012年10月1日時点で半減していますので、2012年9月に
発生した反日デモの影響で撤退したわけではないことが
判ります。

日本のメディアのデーターに基づかない報道にだまされ
ないようにして下さい
（但し、外務省のデーターが正しいという仮定の上で）

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